メタバースのクリエイター?デジタルクリエイターの未来

メタバースのクリエイター?デジタルクリエイターの未来

2022年の春・東京のJapan IT Weekに行ってきました。

あまりにも情報が多かったため、長野に帰った次の日は疲れ果てて爆睡しました…(笑)

このEXPOではAIからロボティクスまで、新しいテクノロジーを展示する会社が集まり、かなり面白かったです。

特にクリエイターの新しい可能性を形にするメタバースやWEB3.0の話が個人的にたくさんのヒントになったし、EXPOの後も調べてみました。

 

この記事では最近よく話題になったメタバースやWEB3.0をテーマに、デジタルクリエイターの可能性について紹介していきます。

 

この記事を書いた人
ビビアン:長野県在住のカナダ人。カナダ政府の仕事で来日⇒大手企業を経て⇒現在は動画クリエイター。「自由な人生を探求しながら」クリエイターの視点で夢を抱く人々を応援する情報を発信中。

メタバースとは?

メタバースはというキーワードは2021年、Facebookが名前を「Meta」にしたことで一気に人気になりました。

メタバースって…なんとなく仮想空間と関係ありそうな感じですが、一体なんなのでしょうか?

エンジニアの経験が全くないなら、理解しにくいですよね。

 

ここで、BBCが作ったMetaverseの紹介動画で使った定義をシェアします。

If we think of the internet as something that we look at, the metaverse is a version of the internet that we’re inside.

The idea is that we will experience the metaverse as an avatar, a virtual version of ourselves, that we control as we explore this new online frontier.

和訳:

インターネットを「見るもの」と考えるなら、メタバースは「中にいるもの」です。

この新しいオンラインの最前線を探索しながら、アバター(仮想の自分)としてメタバースを体験し、それをコントロールすることができるというものです。

簡単にまとめると、メタバースは以下の4つがポイントです。

  • オンラインの仮想空間
  • 仮想空間のアバターを持つことができる
  • リアル世界と同じように人と関わることができる
  • 新しい価値を生み出す

仮想空間という言葉は少し抽象的ですが、メタバースの到来で新しい経済のエコシステムが形になります。

新しい価値を作ることで、クリエイターも新しい活躍の場を見つけることができます。

 

メタバースとクリエイターの関係

まずここで、クリエイターについて定義していきたいと思います。

この記事で指している「クリエイター」というのはデジタル上のコンテンツを作るクリエイターです。

映像、画像、文字を作ってシェアする仕事をしている人たちのことです。

 

今では、クリエイターの多くはSNSを通してコンテンツをシェアし、オンラインのマーケットプレイスを通してデジタル作品(絵、音楽、コンテンツなど)を売るのが主流です。

 

今後、メタバースがパソコンのように普及したら、新しいコンテンツが生まれてきます。

例えば、フード系のインフルエンサーは一緒に料理を作り、料理ショーをメタバースでファンに公開するかもしれません。

または、旅行系のブロガーは旅の体験を共有し、ファンとともにコンテンツを作っていくことも可能です。

メタバース 料理

今では動画やライブといったコンテンツはより「リアル」な体験に変わっていくでしょう。

 

ちょっとイメージしづらいなあ…

このように思っている人もいると思うので、米農家からメタバースクリエイターになった日本の実例をシェアしていきます♪

 

みなのメタバース:米農家からメタバースクリエイターへ(事例)

しーわんさんはお米を作っている農家ですが、メタバースワールドのモデラーとしても活躍しています。

アバターづくりからワールドを作り、みなで遊べるワールドを作りたい思いがきっかけだったそうです。

 

今は本業の米を作りながら、空いた時間では楽しいワールドの創作に取り組んでいます。企業案件も受けているそうですよ。

 

絵を描いても友達に見せるぐらいだったそうで、モデリングはVRChatがきっかけにはじめたそうなので、テクノロジーのおかげでクリエイターになりましたね。

 

しーわんさんの詳しい活動についてはこちらのインタビュー記事をご覧ください。

 

つまり、仮想空間ってリアル世界の仕組みをそのままアップロードする感じかなあ?

こういう風に疑問に思っている人もいるでしょう。

 

実は今の仕組みをそのまま仮想空間に移すのではなく、新しいWEBの形(WEB3.0)が大きな存在になります。

WEB3.0のおかげで、プライバシーが守れる空間で、クリエイターに優しい仕組みが可能になっていきます。

WEB3.0とは?

WEB3.0。これもメタバース、暗号通貨そしてブロックチェーンの流行で人気になってきているキーワードです。

では、WEB3.0とは一体何でしょうか?

ここでは簡単にWEB1.0、WEB2.0、そしてWEB3.0の特徴を紹介していきますね。

WEB1.0

  • 黎明期のWeb、1990年代半ば~2000年代半ば
  • ホームページや検索サイトが中心
  • 一方的に情報を発信する
  • サイト構築するのにハードルが高い

WEB2.0

  • ホームページを作る知識がなくてもSNSで発信できる2000年代半ば~2010年代後半
  • 発信者とファンとコミュニケーションができる(双方向のコミュニケーション)
  • 情報はプラットフォームによってコントロールされる
  • サイバー攻撃で情報漏れの危険性がある

WEB3.0

  • ブロックチェインでデータの分散管理ができ、セキュリティー面では強い
  • 平等なアクセスが可能(地域制限がなくなる)

 

これらのポイントから見ると、WEB2.0の技術は従来のセキュリティー問題を解決するところに役立っています。

ですが、WEB3.0の魅力はこれだけではありません。

セキュリティーの問題を解決することで、クリエイターに新しい可能性を提供しているのです!

 

WEB3.0上のコンテンツ:芸術の新しい形

すでにWEB3.0はクリエイターには、新たな道を切り開いています。

それは、安全性の高いブロックチェーンテクノロジーにより、作品のコピーや盗みといった問題を解決しています。

 

特にデジタル作品が氾濫している今では、本物を手にすることが難しくなってきています。

そこで、ブロックチェーンが可能なマーケットプレイスを利用し、NFT(非代替性トークン)にすると、作品の所有権を得ることができるのです!

 

NFT作品はすべてユニークなトラッキングコードがあるため、コピーはできません。

また、作品を所有しているクリエイターには、二次販売の作品でも収入が入ってくるようになっています。

 

「好きなことをすれば、お金がついてくる」

こうしたWEB3.0ならではの仕組みがあるからこそ、自由に創造できるクリエイターは更に増えていきます。

 

ちなみに、NFTを販売できるサイトはこの記事の中で紹介しています♪

絵から音楽、そして映像まで販売可能ですよ。

デジタルアートを海外へ販売したい?王道からNFTまでの8つの方法

 

個人クリエイター:NFT×メタバースの可能性

以上はNFT×インターネットでした。

ここからはNFT×メタバースの可能性について見ていきましょう。

 

まず、どうして仮想空間のメタバースはNFTとどんな関係があるのか、不思議に思う人も多いでしょう。

ここではBBCの動画でわかりやすく定義したメタバースの意味をもう一度見ていきましょう。

If we think of the internet as something that we look at, the metaverse is a version of the internet that we’re inside.

インターネットを「見るもの」と考えるなら、メタバースは「中にいるもの」です。

実は先ほど話したNFTを販売するマーケットプレイスはまだウェブがベースなもので、仮想世界に入って商品を「体験できる」VRやARのメタバースではありません。

 

メタバース上で作品の販売や取引も可能になるので、NFTはその作品が「本物」であることの証明になります。

 

ポイントから見ると、クリエイターにとって、メタバースとNFTが創り出す可能性は以下の2つです。

バーチャル(VR)マーケットプレイス

これはVRChatのようなアプリによるコミュニケーションスペース。

売り手はウェブ上で販売しているNFTのリンクやプレビューを提供し、VRで直接作品をミント(作る)こともできるでしょう。

 

大手企業Nikeはすでにこの分野に参入しています。

独自の仮想「Nikeland」でメタバースに足を踏み入れており、今回、製品のNFTを作ることで知られるスタジオ(RTFKT)を買収しました。

この二つのテクノロジーを組み合わせれば、Nikelandは新しいVRマーケットプレイスになるでしょう。

アートギャラリー

VRはアートを鑑賞するための(実店舗を除けば)最良のプラットフォームと言えるでしょう。

なぜなら、あらゆる角度から作品の細部まで見ることができるのです。

 

実はCryptovoxelsというウェブアプリケーションを利用すれば、ブロックチェーントークン(NFT)を活用した仮想空間で美術館を作ることができます!

このほかには、メタバース上で不動産を持つといった新しいマーケットの可能性もありますね。

まだ新しいテクノロジーなので、どのように発展していくかは不透明なところも多い。

しかし、そのような未来が実現できたとき、デジタルクリエイターはさらに創造性にあふれたコンテンツを作っていくと予測されています。

まとめ・デジタルクリエイターの未来

クリエイターは、コミュニティーの感覚を生み出すことにおいて重要な役割を担っています。

メタバースの創造者はたくさんのワールドを作り、仕組化していく中、クリエイターはファン(参加者)と関わり、所有権やブランド・パートナーシップの重要性が増しています。

例えば、NFTを販売しているクリエイターは、コミュニティや仲間との新しい交流によって、より大きな影響力を持つようになります。

それは、作品の所有権は変わらないので、時間が経っても認知度が高くなるのが最も理由でしょう。

クリエイターのNFTはもはやその人の身分証明書となり、作品を持っているNFTコレクターもクリエイターと一緒に新しいアイデンティティを育むことになります。

 

また、ブランドイメージとコンテンツとの結びつきが強まるにつれ、ブランドとコンテンツクリエイターとのパートナーシップは今以上に強くなるでしょう。

個人のクリエイターと提携してブランドを立ち上げる企業はすでにあるし、Robloxのようなプラットフォームは、クリエイターに直接コンテンツ制作の権限を与えることで、800万人以上のクリエイターを魅了しています。

ビビアン
ビビアン
Robloxはユーザーがゲームを作成し、他のユーザーと共有することのできるオンラインゲーミングプラットフォームです。

メタバースやNFTがクリエイターに与える可能性は情報発信(SNSやブログ)以上のものです。

ファンと「リアルな体験」を共有することで、双方が成長するコミュニティができあがるのです。

こんな未来を楽しみにしています^^