多くのNFTプロジェクトは、単にブロックチェーン上でトークンの形で表されるアート作品だけではなく、ほかの用途や機能を持っています。
その価値はデジタルアートを超え、多くの人に支持されています。NFTは今、全く新しい種類の仮想資産を生み出しているし、既存市場にも革命を起こそうとしています。
この記事ではNFTの海外事例を紹介していきます。酒の販売、レストランのVIP活用、音楽フェスティバルのパスなど、様々な分野の事例があります。
NFTを作成するときの参考になれたらうれしいです。
グレンフィディック・ウイスキー:レアものの販売
Glenfiddich Whisky is the latest company to join NFT Bandwagon. Glenfiddich Whisky have launched 15 limited edition liquor NFTs at Rs 13.5 Lakh each.
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ウイスキーブランド「グレンフィディック」を所有するウィリアム・グラント・アンド・サン社(William Grant and Son)は、超レアな46年物のウイスキー15本を1本1万8000ドルで販売し、それぞれのボトルに独自のNFTをつけています。
このトークンはBlockBarのNFTマーケットプレースを通じて独占的に提供され、個人消費、収集、投資目的にかかわらず、限定製品をNFTとして消費者に直接販売しています。
NFTを購入すると、購入者は物理的なウイスキーの所有者となり、NFTは所有権と製品の真偽を表す役割を担います。
また、購入されたNFTは転売するか、物理的な商品(ウイスキー)と交換するかを選択することが可能です。
この例はNFTの非可換の性質を利用して、レアなウイスキーを新しい形で販売する面白い例です。
フライフィッシュクラブ:レストランのVIP制度
Flyfish Club, Gary Vaynerchuk’s NFT Restaurant Opening in 2023… Flyfish Club and its NFT membership are just a post-modern, crypto-ized version of an old concept: a private eating club for members only. There are two sorts of Flyfish tokens.#nftinsiders #openseanftartist #nfts pic.twitter.com/NqQ7X8l2Sz
— NFT4MILLIONAIRES (@nft4mil) January 18, 2022
「世界初のNFTレストラン」と称したフライフィッシュクラブは、実際のニューヨークのレストランを通じ、NFTの所有者に特別でユニークな食事体験を提供することを目的としています。
販売されているのは「フライフィッシュ」と「フライフィッシュ・オマカセ」の2種類の会員レベル。
高額な「オマカセ」トークンの所有者は、レストラン内の最高級VIPエリアに入ることができ、より高級な料理を食べることが可能です。
フライフィッシュは2.5ETHで、オマカセは4.25ETHで提供されています。
記事を公開している2022年7月の時点では両方とも売り切れの状態ですが、7月30日のレートでは「フライフィッシュ」はおよそ566,026円で、「オマカセ」はおよそ日本円962,244円です。
Coachella NFT:音楽フェスティバル

アメリカの音楽フェスティバルCoachellaが、NFTでライフタイムパスを提供しています。
トークンの所有者は、Coachellaが主催するあらゆるバーチャル・イベントに無料で参加することができます。
また、最前列での観覧、有名シェフによるディナー、アーティストやパフォーマーとの交流など、VIPの特典もたくさん付いてきます。
NFTは、新しいオーナーに転売されるたびに、フェスティバルの開発に携わったアーティストやデザイナーにロイヤリティが支払われる仕組みになっています。
VeeFriends:インターネットマーケティング
Chance to say hello to @garyvee at the convention in #AtlanticCity
Gary lost his voice but was still out there like a trooper greeting fans and collectors.
Thx G.#veefriends #nft #veecon #blockchain pic.twitter.com/1IefsUhnYT— RoryWells (@Rory9Million) July 28, 2022
このNFTを取得すると、ワイン起業家兼インターネットマーケターの有名人であるゲイリー・ヴェイナチャックさんのビジネスカンファレンス「VeeCon」に参加することができます。
VeeConは、NFTやWeb3分野でのビジネス展開に興味のある方々のネットワーキングの場です。
レアものNFTの所有者は、ヴェイナーチャックさんとの1対1のミーティングやメンターシップを受けることさえ可能です。
この活用事例は、個人のブランドを持つ専門家に多くのヒントをもたらしてくれるでしょう。
ワールド・オブ・ウーマン:社会問題への取り組み
Is this your #NFT ?
World of Women
WoW #9671#openseahttps://t.co/h7XNv8cHaO— Your NFT Today (@yournfttoday) July 28, 2022
このNFTプロジェクトは、性別による差別の問題に取り組んでいる世界中の女性主導の組織に資金を提供することを目的としています。
この例は、社会問題を意識した新しいプロジェクトの一つで、NFTが生み出す宣伝効果や資金を利用し、深刻な問題に取り組んでいます。
2021年に発売された1万枚の写真集はすぐに完売し、2022年に第2集が発売される予定です。
Clinique Meta Optimist:ロイヤリティ向上のためのNFT

Clinique化粧品ブランドは、独自のNFTシリーズを発売し、保有者は無料で製品を入手することができます。 この中には需要が高く、入手しにくい商品も含まれています。
Cliniqueのソーシャルメディア・チャンネルでもっとも「ポジティブな物語を共有した人がNFTを得ることができます。
つまり、販売用のNFTではなく、ロイヤリティの印として贈られるようになります。
不動産投資クラブ(REIC):長期的な成長が見込まれるNFTプロジェクト
Real Estate Investment Club 🧱🌐
Real estate + blockchain technology.
Let’s get it 🤝#REIC #RealEstateInvestmentClub #NFT #NFTs #NFTCommunity #NFTCollection #MetaverseNFT #tokenisation #assets pic.twitter.com/lD9mdPCQnv
— Real Estate Investment Club (@REIC_io) July 28, 2022
このプロジェクトはGTAやレッドデッドリデンプションなどを手掛けた一流のグラフィックデザイナーが制作したNFTコレクションです。
すべてのNFTアバターは、Digital Asset Property Group (DAPG)の会員のパスであり、話題仮想都市、REIC – MetaCityへのフリーパスでもあります。
REICは、開発者、デザイナー、建築家からのチームによって運営され、ユーザーに対してこれまでにないメタバース体験を提供することに専念しています。
チームの長期的なビジョンは、物理的な体験、デジタルな体験、そしてバーチャルの体験が融合する新しい世界を創り出すことです。
例えば、MetaCityの中にはMetaHQがあります。
そこは、イベント、教育や相談サービス、投資の情報、そしてグローバルの情報を好感するハブにする予定です。
メタバースにある幅広いマネタイズの機会に、すべてのメンバーがアクセスできるようになります。
Souls of Nature:環境保護がテーマのNFTコレクション

Souls of Natureは、ユニークなメタバース体験を提供することで、環境保護への関心を高め、資金の調達を目的としたNFTコレクションです。
Metazooieが制作したこのコレクションには、9,271個のユニークなNFTが含まれ、2022年後半に作成(ミント)される予定です。
Souls of Natureコレクションは、Unreal Engineで設計された没入型のメタバース体験が特徴。
Souls of NatureのNFTは、メタバースのアクセスを提供し、ゲーム内キャラクターとしても機能します。
さらに、Souls of Natureの体験は、プレイヤーが旅に出ることで徐々に「魂の一部」が解放されていくという、「experience-to-earn 」というモデルになっています。
ゲーム内でプレイヤー同士が交流できるリアルタイムな体験が可能です。
このプロジェクトで得られた資金の5%を、絶滅の危機に瀕した生態系の保護に取り組むいくつかの機関に寄付する予定です。
FaceTransPlants:クリエイティブなNFTコレクション
SCALE made a Ridiculous caricature again…. but this time it’s…👀@garyvee you’ve been FaceTransPlanted!!!😄#NFTCollector #nftart #NFTCommunity #NFT #ftpsnft pic.twitter.com/Upy4wqCFAb
— FaceTransPlants (@ftpsnft) July 26, 2022
FaceTransPlantsは、芸術的価値と楽しい物語を兼ね備えた1万点のNFT風似顔絵のコレクションです。
FaceTransPlantsの基本理念は、「アーティストでなくても、アートが好きならコミュニティに参加できる」こと。デジタルや物理的なアートを楽しめるコミュニティを形成することが目的です。
NFTのデザインは、アーティストのSCALEが担当し、プレセールの数日前まで匿名の予定です。
FaceTransPlantsは、比較的新しいNFTプロジェクトで、TwitterやInstagramも2022年3月に開設されたばかりです。
しかし、FaceTransPlantsは、クリエイティブなコンテンツによって、NFTコミュニティの注目を集めています。
例えば、最近のプロジェクトが公開したFarokhやSnoop DoggといったNFTインフルエンサーの似顔絵は、コミュニティ内ですぐに人気を博しました。
このプロジェクトはユニークなコンセプトを持つNFTプロジェクトの構築についてヒントをくれています。
まとめ
この記事は、「NFTの海外事例|海外からのクリエイティブなNFT運営事例」をテーマに、クリエイティブなNFTプロジェクトを9つ紹介しました。
この記事をまとめた時に感じたのは、NFTというテクノロジーはすでにデジタルと物理的なものの境線をなくし、新しいコミュニティを作り出していることです。
もちろん、NFTじゃなくてもチケットやバッジでコミュニティのシンボルを示すことができますが、永遠に存在するNFTを持つこと、または販売することで一時的なプロジェクトも永遠に存在するように価値を与えることができます。
NFTの前に私たちは写真やビデオで記憶に残る大切な瞬間を記録してきました。時代が変わることで、それらの媒体が変わってきました。
でもNFTテクノロジーの登場で、記憶は新たな資産となり、多くの人とシェアしていけるようになるでしょう。